釣り具業界は衰退するしかないのか?


今年知った、釣り業界の暗いニュース

 

 ・御坊のフィッシングオーシャン閉店。

 ・がまかつの竿15%くらい値上げ。

 ・ダイコーが釣り業界から撤退。

 

嗚呼・・・
釣り具業界は相当、厳しい状況じゃないかと伺わせるこの事態。
どうなってしまうんでしょうか。

ダイコーもがまかつも通好み、上級者志向という面が強いメーカーではないでしょうか。
いや、この2メーカーだけではないですね。

僕は、業界が磯釣りマニア・上級者志向・競技者志向の方をメインターゲットにした商売に傾きすぎているんではないかと感じております。
どっぷり磯釣りフカセにはまっている人しか相手にしてないような・・・

例えば、8,9万円以上する価格のロッドが普通に主力商品のように宣伝されていたりする。
3万円を超えるロッドでも、初心者の人は買いませんよね。
予備の竿・リールもいるし、ベスト、ウェア、シューズ、ロッドケース、ウキ・・・バッカン・・・

この傾向により、敷居が高くなりすぎてしまっている。
磯釣り(フカセ)やろうかなと興味持っている人が入りづらい世界になっています。

「ああ、こんなん無理だわ、手を出さんとこう」 という風に。

高価でも、ブランド価値を求める人は買います。
そこをメインターゲットにする方が”即効性のある商売”になるので、宣伝にも力が入る。
新しい若者を引き寄せるより、常連のおっちゃんに買わせる方が楽なのはわかりますけどね。
(一度、5万以上の竿を買った磯釣りマニアは、もう2万円の竿に戻ることはないんですね。)

けど、そのやり方で、将来見えるんでしょうか。
国内市場が縮小していくことは予想できるにしても、その下げ幅をもう少しなんとかしようという気概はないのでしょうか。

時代は変わり・・・
日本は、高齢化社会を飛び越え、2007年には超高齢化社会に突入しました。
今の60代以上の方々が繁栄させたこの日本は、世界でも類をみない異常な事態に突入しております。
あんたら高齢者が作ったこの日本、招いたこの事態。
どうすんだよ!
俺たちは年金もろくにもらえないんだよ!
死ぬまで働かんと食えないねん!
稼いだお金、タンスに隠さないで出せよ!

と暴言を吐きそうになるのですが、脱線するのでひとまずおいて置いておきます。
今のコアな層や年配の方々が引退したりして減っていく一方、入門しづらい世界なら磯釣り人口が減るのは当然ですよね。
その上、少子・超高齢化社会ですよ、どうなりますか。

 

10万の竿買って5万のリール買って、2000円のウキを揃えて、毎回、エサ代5000円、なんて僕も無理です・・・
ただでさえ、渡船屋さんとか入りづらい要素が色々あるのに。

磯釣り雑誌みたいなの見てもメーカーに追随した同じような臭いを感じます。
いつも同じようなテスターが沖の一級磯でグレを攻略とかいった記事ばかりのような印象です。
エサも沖アミ4枚+集魚剤4袋とか使うのが当たり前のようです。

今に始まったことではなく、昔からそうなのかもしれませんが、
この島国日本で磯釣りってそんな敷居の高い趣味だったの?

ボイル一枚で一日遊ぶ人もいるし、アオサだけでデカグレ仕留めたり、伝統的な地元の釣り、地磯の釣りなどリーズナブルなやり方や競技者志向でない磯釣りも色々とあると思います。
興味ある人が一歩踏み出すような企画や情報発信がもっとあってもいいんじゃないの?
少年少女たち向けの道具や情報がもっとあってもいいんじゃないの?
(軽くて短くて使いやすくてクオリティもそこそこで、お父さん用のサブ用としても使えるジュニアロッドとか、素人なりには、色々思いつくんだけど・・・)

そんなこんなで、色んな層を取り込んでいく動きが身を結ばないと、上記のような縮小、撤退、倒産といった事態は致し方ないでしょう。
そして、ますます限られた人だけの閉鎖的な世界になっていくんじゃないかと思います。

しかし、がまかつの竿15%の値上げが雑誌では誌面1ページ使いながら
「値上げするのでご理解ください」だけなのには少々驚いた。
これ読んで、「しょーがないな、理解しよう」って普通にユーザーは思うんだろうか。
黙っていても売れる自信?
材料費下がったら、下げてくれんの?
海外高級ブランドの真似してんの?

例えば、吉野屋の値上げ80円の発表は、理由を読んだら
「ああそうなのか、今までが安かったし仕方ないなと」理解できますが、
がまかつの値上げにはいくつもの???が浮かび上がってしまうのです。
それはやっぱり中の人が公式に伝えてくれないと、わからないと思うんです。

「値を上げんでも儲ける方法はあるはずです。

それを考えて仕事を生み出しなさい。

そうしたらいくら儲けてもかまいません。

知恵がいりますよ。

努力がいりますよ。

しかしそれをやってください。」

「強運なくして成功なし 第 8 巻」  著者: 松下幸之助

締めに権威の言葉を借りてしまいました。

たかが磯釣り歴3年くらいの僕が思ったことなので、見当違いなら優しく叱ってください。