里親研修 基礎研修を夫婦で受講

里親制度の概要
里親制度は、家庭での養育が困難又は受けられなくなった子ども等に、温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境の下での養育を提供する制度です。
家庭での生活を通じて、子どもが成長する上で極めて重要な特定の大人との愛着関係の中で養育を行うことにより、子どもの健全な育成を図る有意義な
制度です。厚生労働省のHPより

 

夫婦で里親になるための研修を受けてきた。
今回受けたのは基礎研修1日のみ。
(2日目以降の認定前研修は予定があり秋に受講予定)

場所は、「和歌山県子ども・女性・障害者相談センター」
和歌山県和歌山市 毛見1437-218 マリーナシティの近く。
とても立派な建物で、児童相談所なども入っている。

 

 

里親研修は和歌山の場合、この時期と秋の年2回、行われている。
人は少ないだろうなと思っていたけど、8~10組(夫婦)くらいいた。
里親になる年齢層は高いと聞いていたけど、そうでもなく30代から60代までバラバラな感じ。
ただ、参加している人たちにはなんだか深刻そうな雰囲気が漂っているような・・・
なんだろうこの暗さは・・・
ほとんどの方は、子供がいないのに悩んだ末に里親制度を利用して・・・いるんだろうか。
それとも・・・

9:30から座学で、児童相談所の女性の職員の方から制度の説明。
単なる制度の説明ではなく、現場では実際にどうなのかというところも織り交ぜられていたので興味深い話もたくさん聞けた。
現在、養育里親は和歌山では110人ほど。
この中で実際に里親をしているのは半分。
あとは、登録していても仕事で忙しいので今は無理と引き受けない人が多いとか。
相談に行った時も聞いたけど、ここでも虐待・ネグレクトの話が出てきた。

 

 

11時すぎから、実際の里親先輩による体験談。
養育里親から特別養子縁組をされ、実子となったケースである。
時間は1時間だが、引き受けることになった経緯から子供とどのように距離を縮めていったのか、どんな問題が発生したのか、など
話していただけた。とても丁寧に、詳細に。
僕も含めみなさん話に引き込まれていた。

午後からは、場所移動。
和歌山にある実際の児童養護施設に移動して、施設の見学と実際に働いている職員の話を聞いた。
こういった施設に訪問するのは僕も初めてだ。
2歳から18歳までくらいの子供たちが生活している。
やや緊張しながら見学させてもらった。
実際に子供達もいて、「こんにちは」などと挨拶しながら見学させてもらう。
高校生の子たちは個室だった。あとは二人、三人部屋が多い。
思ったより全体的に片付いていて物が少ないような印象。
職員の人は、「どうぞ中に入ってみてください」と言うが、子供達の部屋に入ってしまうのはプライバシー無視で悪いような気がした。

その後、職員の方からお話を聞く。

「子供たちはずっと施設にいるのではなく、大多数の子供は里親の元に行きたいと思っている。」

施設でもいつも職員がいるし、生活には不自由なく暮らせる。
しかし、職員にもそれぞれの生活があるので、時間がくると帰るし、休みも必要だ。
仕事を変わることもあるだろうし、移動もあるかもしれない。
子供たちにとっては、いつも一緒にいてくれる同じ大人(親)がいる、という家庭環境が心の安定につながる。
里親制度が必要とされる大きな理由もそこにある、ということ。

乳児院に相談に行った時も聞いたが、親権(実親の権利)が日本では守られすぎている。
施設から里親に出すのは実親の同意がいる。
養子縁組はもちろんいるんだけども、たとえ、短期で2,3日の里親宅でのホームステイでも実親の同意がいる。
里親制度が機能しない要因の一つは、実親が同意しないことにある。
施設に預けっぱなし、ろくに面会に来ない親でも、里親に出すことには強い抵抗を示す。
里親に情が移ることを恐れたり、施設にいないと会いに行きにくい、とかそんな理由なら親のエゴだろう。

調べてみると、アメリカやフランスなどでは里親に出すには実親の同意はいらない。
また、1年とか2年とか実の親と暮らせない場合、親権を手放すという明確なルールがある。
義務を果たせないなら、権利の上に眠らせない、というスタンスだな。

ということは、問題は日本では欧米に比較して、子供を守るための法律が実態に即していないことにある。
これも血縁主義の弊害か。

もう一つ、聞いたのは、児童相談所の職員が誰をどこに預けるかなどの判断や実親との説得交渉を行うという点。
言葉を濁した言い方だったけども、児童相談所の職員は1年で異動したりするので、対応が中途半端になってしまうこともあるみたい。
また、虐待の問題で手一杯になっており、里親制度の方にまで手が回らないというのも実情のようだ。

法律と行政がこの状態で、制度が十分に機能するわけがない。

児童相談所や職員の話ばかり聞いていると、大変な話ばかりでちょっとしんどくなるが、
里親さんの実際の体験談を聞くと喜びや感動に満ちた話もたくさんあリ、希望が見えてくる。

質疑応答があり、この日の研修は終わった。

翌日も研修はあるのだけども僕ら夫婦はこの日だけで、残りは秋になる。
翌日以降は予定が入っていたので、今回急遽、この基礎研修だけ受けた。
なぜ、この基礎研修だけ受けたかというと、この基礎研修を受けるとショートステイの引き受けが可能となるからだ。
和歌山では、セカンドファミリーという名前で呼ばれる、短期の里親制度がある。
これはお盆とか正月、夏休みなど、ほんとに短期間だけ引き受けるという制度。

まずは、この制度を引き受けようかと検討している。
 

 

投稿者: おき

おき、といいます。1972年生まれ、和歌山県橋本市在住。 自営業です。 フカセ釣り、グレ釣り、をみなべ~白浜周辺の沖磯、地磯でやってます。 経験も浅く腕はありません。 釣りを通じてみなさんとの交流できたらと思いブログをしています。

「里親研修 基礎研修を夫婦で受講」への4件のフィードバック

  1. おきさん、お疲れ様でした。社会的養護を必要としている子どもたちの理解の早さにはさすがですね。そうです!義務を果たさない親の権利が一番子どもたちを苦しめています。日本のこの様なシステムに国連は「国家的虐待」と批判してます。しかし今後は私も詳しく承知しておりませんが親権について少し変わるらしいです。週末里親、ショートステー、頑張ってください。施設からはある程度特定の決まった子どもたちが依頼されると思いますので、是非その子に関わる特定の大人になってあげてください。それだけでも施設におけるその子の情緒の安定、励みになります。

    1. コメントありがとうございます。

      実親の権利もそうなのですが、
      制度的に研修4日で子供を預かるというのは、里親への敷居が低すぎるかも、とも思いました。

      質疑で突っ込んだ質問をしてみました。
      ショートステイを本当に子供たちは望んでいるのか?と聞くと、帰ってきたときに「楽しかった」と他の子に話すので、他の子も行きたくなるそうです。

      僕らは実子がいますので、
      通常の養育里親なら、特別養子縁組を視野に入れるくらいでないと難しいかもしれない、ですね。

      1. おきさんの責任感の強さから来る思いはよく分かりますが、子どもたちは日々どんどん成長してしまいます。一刻も早くその瞬間瞬間をフォローしてあげるのも、その子にとって決してマイナスではないと思います。それから実子のおられる方に是非、里親になって頂きたいです。里子さんは家庭を学び、実子さんはそんな親の背中をしっかり見ています。たとえ長期委託ではなく、短期委託であっても、彼らが家庭を持った時の手本になり、負の連鎖を少しでも止めれるかもしれません。里親登録に向けてどんどん前進して頂きたいです。

        1. 力強い言葉をいただき、ホントありがたいです。

          今日は休みで、いろんな里親関連のブログなんかを見てたら、思慮の浅いまま進めていいのかとふと不安になってしまいました。

          検討と書きましたが、既に、ショートステイ(セカンドファミリー)には登録してますので、夏休みには話が来るかもしれません。
          近くに施設があるのでそこからかな、と妻と話しています。
          自分で決めるわけではないので、話はこないかもしれませんが、進めてみます!

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